「頭はいいのに仕事はぜんぜんできない」

 

学生のうちはよかったが社会に出た途端評価はひっくり返ってしまい、職場を転々としたり、体調不良(二次障害ですね)になってしまったりするアスペルガーは多い。

「できない」と言われてしまう特性として
私の場合は

  • 脳のワーキングメモリが小さい
  • 上書き機能が上手くいかない
  • 優先順位がつけられない
  • 順序だてて考えられない
  • 片付けができない
、、、など
挙げればきりがない。
脳のワーキングメモリが小さいので、脳の中で一時的な記憶の保管場所が小さく、仕事を同時に並行して処理するのが苦手だ。

例えていうならばパソコンの画面操作で、いくつも画面を出して同時に作業することが困難。1画面なら集中力があるのでかなり早く処理できるが、2画面になると途端にスピードが落ち、3画面になると前の2つが画面から突然消えてしまう、そんな感じ。

頼まれ事を忘れる、連絡するのを忘れる、持ち物を忘れる、約束事を忘れる、時間を忘れる、、、、

記憶から消える、抜け落ちてしまう、その程度がワーキングメモリが平均的な人から見たら「あり得ない」レベルなので、最初は「誰でもよくあるよ」と大目にみてもらっても度重なると「やる気あるの?(怒)」「バカにしてるの?(怒)」となってしまい、そうなると益々焦ってミス連発、、、となる。

子供がまだ幼い頃、保育園の帰りにお友だちの家へ遊びに行った時のこと、迎えに行くまでの間に買い物に行き、夕飯作りに集中していたら子供の存在をすっかり忘れてしまって、夕飯作り終わって「暗くなってきたなあ、どうして○○いないんだろう?、、、、、あ!!ひ、ひぇ~~~忘れてた😱😱😱😨😨😨😭😭😭

あわててお迎えに飛んでいって平謝り、子供にも平謝りした、なんてことがあったっけ。

ダンナに報告したら

「子供のことを忘れるなんてなんて薄情な奴だ!(怒)、あり得ない!(怒)それでも母親か!(怒)」
と、ここでも平謝り🙇🙇🙇

毎日の生活の中でしょっちゅうこういうことをやらかすので家族は大変だったと思う。自分でもなぜできないのかわからず、ひたすら怒られ続ける毎日でつらかった。

子育て中の母親は大変だ。家事、育児、その他もろもろ、一時にたくさんのことを同時進行していかなければならないからだ。

1ヶ月に一度はブレーカーが落ちたようになって、子供たちもシャットアウトして一人で部屋にこもり、布団の中で丸くなってひたすら寝ていた。パソコン画面がブリーズしてシャットダウンしてしまった感じ。

会社勤めはしたことないけれど、絶対無理だったと思う。アルバイトもいくつかやったが長く続けられたのは一人でマイペースでできる環境がある仕事のみ。ファミリーレストランでのウェイトレスは注文を間違えないように極度に集中して仕事していたら疲れはてて半月も続かなかった。

3人の子供を生み育てるのはかなり容量オーバーで時々シャットダウンしながらも待った無しの毎日の無理がたたって、ついにからだを壊し入院する羽目に。まあその時のつらかった経験が今の仕事の原点になっているからいいんだけどね。

つらいことも多いけど裏を返せば一つのことに集中したら他の全てを忘れて没頭できるのがアスペの長所。
これ!と決めたら脇目もふらずやり続ける。それこそ周りが迷惑であろうがなんであろうが気がつかない、気にならない。

私の場合は冷えとり健康法の普及と整体の仕事がそれに当たるかな。健康体になりたくて脇目もふらず取り組んだ結果、不調続きだったのが嘘のように元気溌剌になり、こんなすごいことは人に教えずにはおれない!と声を掛けまくり、人様に指導する側になった。マッサージや整体を受ける側だったのが、興味持って学んでみたら面白くなって人様に施術する側になった。

アスペの集中力のおかげで今の仕事がある。

何か一つ自分が好きでこだわりを持って続けられて、それが人に役立つレベルまでなれば、困った特性が実はすごい才能だった、に変換されるんだと思う。

アスペの人の中には発掘されるのを待っているダイアモンドの原石がある。生きづらさの原因となっている特性の裏側にそれは存在している。
それが見いだされて磨かれて輝きを放ったら、、、世界は明るくなるに違いない

、、、つづく

アスペルガーのことがよくわかる、おすすめの本

「あなたがあなたであるために」


※自閉症研究の世界的権威ローナ・ウィングさん監修による、当事者の子供たちに向けたガイドブック
「あなたの存在は“まちがい”でも“にせもの”でもないのです」
のメッセージが伝わってきて泣ける。。。
アスペは否定され続けると自己肯定感が低くなってしまう、それこそが二次障害を生み二重の生きづらさを背負わせてしまうのだ。

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