言葉へのこだわりとマイルール
久しぶりのアスペシリーズです。
続けているうちに【アスペのひとりごと】というタイトルより【アケミのひとりごと】にしたほうがいいんじゃないかとか、当たり前だけどアスペも一人一人みな違うから、そこのところを正確に表現するには【アスペアケミのひとりごと】がいいんじゃないか、なんてあれやこれや考えていて、どうしようかな~、とモタモタしていたらかなり間が空いてしまいました。
こんなところも如何にもアスペらしい、と自分で思う。
言葉を正確に使いたいという欲求があり、自分の考えていることや感じていることと表現した言葉との間に違和感というかズレを感じてしまうと、とたんに気持ち悪くなって何時間もかかって作ったものも消してしまったりしてしまう。
これが期限の決められた仕事だったら大変だ、何やってんだ!と怒られ、理由を正直に話せば、言い訳するんじゃない!と怒られること必須。。。
この言葉に対しての異常ともいえる潔癖さはどこからくらのだろう?
アスペ関連本をみると、言葉に関したの特性として
・必要以上に丁寧な言葉遣いをする
・逆に目上の人に対して友達同士かのようなぞ んざいな言葉遣いをしてしまう
・難しい言葉を多用する
・話がくどい
等がある。
言葉の使い方にマイルールがあって、自分の感覚に正確に使いたいので、人や場面に応じて臨機応変に変えられない、というか変えることに抵抗、苦痛さへ伴う感覚がある。
FBへの投稿の文章だって多分人からみればこれのどこが気にいらないの?というレベルだと思うけれど、自分の感覚で許可がおりないとダメなのだ。
その許可がおりる感覚の範囲がマイルールではとても狭いので、人の中にいることでの生きづらさという一面の他に、自分一人の範囲内での生きづらさという一面もある。
例えるなら自分で自分のからだ縛っておいて「く、苦しい~!」とのたうちまわって、でも気持ちよく生きていくためには縛らずにはおれないMな人、といったところ、訳わからないよね。、、、、変態だわ😁
仕事でもないのに、たかが趣味の文章にそこまで考えたりこだわったりしていて時間があっという間に過ぎてしまっていて、気がついたら何時間も経っていてギャー、、、ということがよくあって、アホか?と自分で自分をツッコミたくなる。
一人でもジタバタしているくらいだから、この特性を持ったまま人と一緒にいたり、何か一緒にやっていくということは実はとても困難なことで、自分なりに必死の努力をしてこなしてきたんだな、と最近つくづく分かるようになった。
こだわりを持ったまま人の中に入ってうまくやっていくためにわたしがとっている戦略
(というより無意識の反応)は、
・こだわりを隠して人に合わせる仮面をかぶる
・違和感を感じないように感覚を凍結させる
・こだわりを悪いものとして自己否定に走る
・大多数の感覚(常識)を正しいものとして自分を矯正する
当然ながらどれも長く続けることはできず、疲れはてて体調不良になったり、やる気がなくなったり、引きこもりっぽくなったり、普通にならなきゃ、成長しなきゃ、ということで自分に合わない場所に自ら飛び込んでいって、結果自分が何者なのかわからなくなって混乱して更なる自己否定を重ねることになったり、、、😭😭
数年前に自閉症スペクトラムの診断降りて混乱の原因がわかってやっと少し楽になった。
こだわりがあるからわたしはわたしだったのに、そのこだわりを亡きものにしようとしたり、隠してふたをしようとしたり。
どんなに隠そうとしてもニオイはダダモレだったよね、ニオイを隠そうとすればするほどおかしくなるし、自己矛盾しているから挙動不審だし、エネルギーを無駄遣いしていた。
振り返るとよくがんばった、ワタシ。
最近はことある毎に「ガンバッタワタシエライ」ととなえている。そしたら人の中にいても前より疲れなくなった。やれやれだ😓
アスペの能力が発揮できる場所
生きづらさを感じている人は自己否定と他者適応にかなりのエネルギーを使っている。そのエネルギーで自分の周りに防御壁を作って自分を守っているが、循環しない自家発電のエネルギーでは限界がすぐにきてしまう。
アスペにはこだわりを生かして自分も周りもハッピーになれるような環境に身を置くことが不可欠だと思う。
でもそこに行き着くためには(自分に許可が出せるためには)根強い自己否定や対他者適応からくる無意識の反応に気づくことが必要だ。
そこが一番難しいんだけどね。
私の場合は人生の転換期にこだわりがほめられたり、おもしろがられたり、人の役にたてたり、というプラスの面を評価してくれる人がいたからここまでなんとか生きてこられたと思う。ありがたいことだ。
もし周りに変にこだわる人がいて、周りから疎んじられていたり、生きづらそうだったり、不器用だったり、何考えてるのか分からない、挙動不審な人がいたら、こだわりをなくさせて周りに合わせるような方向ではなく、こだわりを生かせる方向や仕事を一緒に考えてあげてほしいと思う。いいところをみつけて励ましてあげてほしいと思う。
どうしていいのかわからず一番苦しんでいるのはきっと本人なのだから。
アスペの能力が発揮できる場はそんな人がいる場だし、こだわりの中にはきっと本人も気づかなかった思わぬ宝が眠っているはずだから。
アスペルガーのことがよくわかる、おすすめの本
「自閉症だったわたしへ」
※世界的ベストセラーになった、ドナ・ウィリアムズの『自閉症だったわたしへ』
パート2、パート3が出ていたのを最近知ってまた読み返しています。
自閉症の脳を持ちながら社会に適応して生きていくためにキャリーとウィリーという人格の仮面をかぶり、本当の自分を見失っていた作者が、人との関わりの中で本当の自分であるドナを取り戻していく過程は感動的です。
人間とは何か、自分とは何か、生きるとは何か、に問いが立っている人にオススメします。勇気をもらえる名著です!