駒ヶ根に移住してきて驚いたと同時に嬉しかったのは、至るところに古い石造物が点在していること。

家の近くでよく見かけるのが庚申塚。
江戸時代に盛んだった庚申信仰による石碑が散歩するとあちこちに残っているので、石大好き、石像物大好き人間にはもう眺めているだけで幸せ😃💕なのです。

石造物とともに多いのがお墓。

都会だとお寺や神社近くに区画整理された大きな墓地がある感じですが、こちらは家の近くに一族の墓地があったり、集落ごとに墓地があったり、散歩しているとあちらこちらにお墓があるので(石好きなのでついつい目に入ってしまう)思わず古(いにしえ)にタイムスリップしてしまいます。

伊那谷は山に囲まれた交通の便の悪いところだったので昔は「日本のヒマラヤ」「陸の孤島」などと称されていたそう。
古いものや古い生活習慣の痕跡があちらこちらに残っています。

忙しく毎日過ごしていると、いのちが有限ではかないことや、祖先代々のいのちの連なりの最先端に自分がいることをついつい忘れがちですが、この地に住んでいると何千年と変わらない雄大な自然の景観と縄文の時代から連綿と続く人間の営みを、遺跡や石像物等からも日々身近で感じることができるのです。

石仏好きにはたまらないのが守屋貞治(1765~1832)の石仏です。

お隣の伊那市高遠は桜🌸の名所でも有名ですが高遠石工の故郷、石仏でも有名、高遠石工の手による石像物が伊那谷の至るところに残っています。

生気を感じる石仏を眺めていると心の深い部分が揺り動かされる感じがしますね。
昔の人々はどんな想いでこの石仏の前で手を合わせていたのでしょう、特に地蔵菩薩像には幼くして子供を亡くした親の想いが伝わってくるようで自然と涙が出てきます。

10代の頃、同級生達がアイドルのブロマイド(懐かしい!)で盛り上がっていた時に仏像の写真集を眺めて一人盛り上がっていたくらいの仏像フェチ(笑)。

仏像好きは昔と全く変わらないけれど、そこから受けとるものを通じて自分の人生をしみじみ感じることができるのは年を重ねたおかげかな、10年、20年、30年後にどんな想いで石仏たちに対面しているのか、年をとるのも楽しみです

100年後ももっと先の未来にも石仏たちは変わらずにそこにいるに違いない、そういうものがごく身近にある幸せ🍀
これも伊那谷の魅力の一つですね