「ノミのジャンプ力は、体長の100倍近くあります。そのノミをガラスのコップに入れて蓋をします。はじめは自由に飛ぶのですが、何度も頭をぶつけていくうちに低くしか飛ばなくなります。その後、天井を外してもノミは以前のように飛ばなくなります。ノミは自分で限界をつくることにより、高く飛ぶ能力を失ってしまうのです。」
心理系や自己啓発系、ビジネス系のセミナーでよく聞いたノミのジャンプの話。
自分の限界を作るな、成長を諦めるな、といった文脈で使われていたように思う。
低く飛ぶようになってしまうことは悪いことなのか?
無理なことをするより体力温存してチャンスを待つとか、
飛ぶことを諦めず続けるよりも蓋の隙間から這い出る方法を試すとか、
ガラスを穿つ方法(ガラスを溶解させる分泌物を出すとか?)を編み出すとか、
ガラスの中でも生きられるように、例えば光をエネルギーに変えるとか、
環境が変わるまで冬眠(ゴールドスリープ)に入るとか、
単に今ある能力だけで枠を越えることが正解ではなくその事態に向き合いどうやって乗り越えて行くか工夫することが大事なのでは?
そんな話し合いをしたらもっと面白いのに。
飛ぶことばっかりに執着していたらダメじゃん?
それこそ枠にとらわれてるじゃん?
等々、当時素直に受け取れないで違和感ばかり出る自分をひねくれているんだな、と思っていたけれどコロナコロナの一年を振り返っていたらまんざらでもなかったな、と思えてきた。
努力や変化ではなく変容、変態が求められているのを感じるからかな。