冷えと頭寒足熱

不調の原因は、冷えそのものよりも、「冷えていることに気がつかない状態にあること」、にある

これはこれまでの自身の経験体験から出てきた言葉、定義だ。

気がつかなくなっている状態を引き起こしている原因に気がついて手放していく過程で「からだの感性、知性」の度数が上がっていく、よく自己治癒力を上げることで病気を予防できる、というが、自己治癒力とはからだの感性知性がどれだけ働いているか、の指標なのだと思う。

サプリや食事療法、運動療法など、様々な健康法が世の中に出回っているのに、なぜ医療費は年々上がり続けているのか。

忙しい毎日に追われ、表面に現れた現象、症状だけに捉われて、根本の原因に目を向ける時間とこころの余裕がなくなってしまったこと、すべてにおいて効率化、時短化を推し進めてきた社会の風潮に原因があるのではないかと感じている。

野菜と同じように、人間にも適した温度がある

、、、駒ヶ根に移り住んで家庭菜園での野菜作りで忘れられない体験がある。

家庭菜園をはじめて間もない頃、春先に張り切ってニンジンの種を蒔いた。毎日水やりして、芽が出るのを待っていたけれど待てども待てどもいっこうに出てこない。野菜作りをしている近所のおじさんに聞いたら、

「まだ早すぎる、地温が上がらないとダメだ」

今から思い出したら笑い話なのだが、当時はニンジン種の発芽に適した温度があるということに全く意識が向いていなかった。

ニンジン種が発芽するにはそれに適した温度があり、それは他の野菜もおなじ、当たり前だが、野菜に限らず、植物が発芽し発育するにはそれぞれに適した温度が必要なのだ。

振り返って人間はどうだろう?人のからだが正常に機能する体温は36.5度といわれている。これが1度下がって35.5度になると、免疫力は30%、体内酵素の働きは50%もダウンする。病気になりやすいだけではなく、全身60兆あるという細胞の機能も悪くなってしまうのだ。

人間にも、細胞が健全に分裂成長できるような、病気にかかりにくい温度が決まっている、ということにもっと意識を向けるべきだと思うがどうだろう。

36.5度から1度上がって37.5度になると、大変!熱が出た!と大騒ぎするのに、1度下がって35.5度になっても、大変!熱が下がった!とはならない。考えてみれば不思議な話だ。

ガン細胞が35度台の低体温下で発症増殖することは免疫学ではすでに常識になっているのに、毎日血圧は計っても体温を計る人はほとんどいない。
血圧を下げる薬はたくさんあるが、体温を上げる薬はない、病院で処方される薬が体温低下に繋がることを知っている人は少ない、、、ここに医療業界の闇がかいまみえる、と思うのは私だけだろうか。。。

「冷えは万病の元」という言葉が始めて「自分の言葉」に

私自身が苦しんだアトピー性皮膚炎、アレルギー、便秘、自律神経失調症、腰痛、坐骨神経痛、腎臓病などが、すべて35度台の体温に原因があったことに気づいた時、
「冷えは万病の元」という言葉が始めて「自分の言葉」になった。
「冷え」を感じるセンサーがどれほど鈍くなっていたか、気づいた瞬間でもあった。

不調や病気以外に、不妊も冷えと無関係ではない。人間の下半身は植物でいえば地面の下の根の部分、人間の種は下半身に蒔かれるのでそこの温度が低いと発芽できないし、健全な生長もできない。不妊や流産も増えているのは、種の質の低下や数の減少にも原因あるだろうけれども、女性の子宮内部温度が低い、つまり下半身の冷えが原因である場合がほとんどではないかと感じている。

下半身の冷えの原因の一つとして、全身の3分の2の筋肉がある足を使わない生活による筋肉量の低下の他にも、夏場の冷房、更に東洋医学でいう「上実下虚」の状態になりやすい生活がある。(気が上に上がって下りない状態のことを「上実下虚」という、カッカしている時や、悩み事で頭がいっぱいなんて時もこの状態)

座り仕事でパソコンを長時間使ったりスマホを見たりすることは、目や頭を酷使して「上実下虚」、つまり「頭熱足寒」の状態を引き起こしやすい。

「冷え」の自覚あるなしにかかわらず、施術を受けにくるお客様に、まず足を温めて!と言わずにおれないのは、不調の原因が「頭熱足寒」「下半身の冷え」であることがほとんどだからだ。

からだのセンサーを鈍らせる「冷え」はまさに現代病。

今の季節、夏場にお風呂はシャワーだけだった、という人は要注意、下半身冷えている可能性があります。下半身をしっかり温める半身浴を今日から試してみて下さい。

・湯温は自分の体温+4℃が目安。それ以上だと長く入っていられない。20分以上浸かる。

・さら湯だとぬるく感じるので体感温度を上げるため入浴剤(塩でも酒でも重曹でも)を入れる。出てからの保温効果も高いです。

※かなやま文庫から、お医者様による冷えとり本、特に安保徹先生は免疫学の権威、早く亡くなられて残念です😢