朝晩寒さに震える季節がやって来た。

息子(次男19才)が会社行く前に、車の暖気(寒冷地ではエンジンかけてすぐに駆動するとエンジンが傷むし、フロントガラスも霜がついて真白になっているので融かす必要がある)をするために
起きて直ぐにパンツ一丁姿で外に飛び出して行く姿を見てたら、昔の情景が鮮やかに蘇って来た。

朝の気温が零下になるという時期でも次男は未だトランクス1枚姿でズボンをはかないで寝ている。

寒がりの私としては見ているだけで寒いし、「足が冷えるから頼むからズボンはいてよ!」と言ってもどこ吹く風。

寝るときは、何もはかない方が気持ちがいいらしい。

上の二人の子供にはこんな習慣?はないのでいつからこうなっちゃったかなあ、と考えてたら原因は私にあったんだ!と次々と思い出してきて「あぁ~」と力が抜けた。。。

3月生まれの次男はハイハイしだしたのがちょうど夏の時期、小さい時に肌を鍛えると丈夫になるかも、と7月~9月位までの暑い時期、裸で過ごさせた。
生後半年位の赤ちゃんが裸でハイハイする姿は可愛くて当時の裸写真がたくさん残っていて今では宝物だ。

そのせいか、歩き出してからも気温が上がってくると服を着るのを嫌がるようになった。

嫌ならしょうがないよね~、と家では好きなようにさせていたけど、当然ながら子供には家にいる時と外にいる時とで使い分けるなんてことはできない。
外出するために服を着せようとすると嫌がって脱いでしまうようになった。

2才過ぎた頃だったか、長男が小学校に上がって集団登校していた頃、朝、他のことに気をとられていて、気がついたら次男の姿が見えなかった。
慌てて家の周りを探したけれどどこにもいない。
少し前に小さい子がU字溝に落ちて流されて亡くなった、という話を聞いていたので、もしや!と頭が真白になった。

近くを探し回って1時間も過ぎ、これはいよいよ警察に、、、と思ったその時、一糸まとわぬ生まれたままの姿の次男が犬を連れた中年の女性に手を引かれ神妙な顔つきで歩いて来るのが目に映った。

「この子小学校の前にいたの、お兄ちゃんについて学校まで来ちゃったみたい。お兄ちゃん困っていたから名前を聞いて、近所に金山さんのお宅はどこか、聞きながら来たのよ」

「見つけたのが私だったから良かったもののこんな姿でいたら変質者に連れていかれちゃったかも知れないわよ!せめて下着くらいはね~。」

話しながら私に向けられる訝しげな視線が痛かった。
育児放棄?虐待?と疑われているのは明白で、とにかく「ありがとうございます!、すいません!、ありがとうございます!」を繰り返してたっけ。

その後も次男は懲りることなく裸のままで家の周りをお兄ちゃんのお友達と一緒に遊んだりしていたので、お隣のピアノ教室に通う女の子が親に「裸の男の子がいて目のやり場に困る」と報告したらしく、お隣からも「余計な誤解を招くから服を着せた方がいい」とアドバイスもらう羽目になった。

小学校に入ってからは流石に裸はなくなったけれど靴を脱いで裸足で歩き回っているらしいことをお友達のお母さんから聞いてはいたが、
「本人が好きでやっているのなら別にいいんじゃない?」と気にせずいた。

その後担任の先生から
「トイレに入るにも上履きをはかずに裸足なので他のお友達からいじめを受けないか心配してるんです」
と言われた時、
「いじめられて辛いなら自分から靴を履くだろうから、先生心配しなくても大丈夫ですよ~!」
なんて、逆に先生を励ますつもりで能天気に返事してたら
「衛生的にも良くないし、他の子供に真似されても困りますし、、、。」と困り顔の先生。

それならいじめじゃあなくて逆じゃあないのか?と内心思ったけど、子供に直接言えばすむことをわざわざ私に言ったのは、もしかしたら先生も育児放棄、子供に関心のない親だ、と思っていたのかもしれないなあ。

思い起こすと、当時小さい男の子が裸で歩き回っている、という状況に対して、
「からだが鍛えられていいよね、大人になってこれやったら警察呼ばれちゃうけれど、好きにできるのは今だけの特権だよね~子供っていいよね~羨ましいわ~」
くらいしか認識していなかった。。。

他の人が見てどう思うか?とか、親としてどうなのか?という視点なんてほぼなかった。

小さい子の裸姿が微笑ましく、受け入れられるのは家の中や公園の水場くらいで、それ以外では異常に感じられる、といったTPOに応じて対応するような感覚が全くなかったな、と改めて思う。
子育て時代のエピソードの数々、思い出すと冷や汗モノだね💦💦

思えば子供の服装だけでなく自分の服装にも無頓着だったので、ダンナとのはじめてのデートの時のこと、何故か服屋に連れて行かれて、盛んにこれを着るといいよ、と進められるから、その場で買って着て帰ったことがあったっけ。

大分後になって「なんであんなに買って直ぐに着るように言ったの?」と聞いたら、「あまりに変な格好でみっともなかったから」だって。
「ひゃあ~!!恥ずかしい~!」っていうより、変って感じが全く欠落していたことに我ながら茫然としたものだ。

今は外出する時にダンナがいれば、「この格好おかしくない?」と服装チェックしてもらってから出かけるのがお決まり。普通は逆だよね(笑)

よくアスペルガーは場面に合わせて臨機応変に振る舞えない、と言われるが、それは服装の選択に関しても言えることだ。周りに合わせて選択する、という感覚がなく、自分がいいと思ったものを着る。というか、興味がないもに対しては全く無頓着、人から自分がどう見られるか、という感覚が鈍い、というか、ない。

スティーブ・ジョブズが黒のタートルしか着なかった、というエピソードは記憶に新しいところだが、たぶん何を着るかなんて考えるのが面倒だったんじゃないのかなあ。
同じだったら楽でいいし。

私もファッションに関しては何度男だったらよかったのに!と思ったことか。
背広一式あれば公式の場は何も考えなくていいから。
女性はいろいろが面倒だ。

朝一番で次男の寒々しい姿を目にしたら昔の情景が次々思い出されてきたよ。。。

アスペ脳は時系列で記憶ができなくて、時々フラッシュバックのように過去の記憶が映画の場面のように鮮明に目の前に浮かんでくる。

これもアスペの特性の一つで、辛い記憶もいつまでも鮮明に残っているのでPTSDになりやすい傾向もあるんじゃないかな。

アスペ脳の人は時間の経過に対する感覚も独特なものがある感じがする。

年相応という感覚がよくわからないし、時系列に沿って考えたり計画たてたりするのが苦手なのも、記憶のメカニズムが定型脳とは違うのかもしれない。アスペに年令不詳な感じの人が多い、というのも以前関連本で読んだ記憶がある。
違う時間軸を生きているのかもしれない。

、、、、、次男に、寒いことより裸の方が気持ちいい、と三つ子の魂に刻み込んだのは紛れもないワタシなので、今さら「何でズボンはかないの!!」と言えなくなってしまった日々がこれからも続く。。。

※先日横浜に行った時に撮った海の写真、海を眺めていたら、昔々海の生物だった時の記憶が蘇った(ような気がした)!。遺伝子の記憶なのかしらん?