合宿2日目
何日か遠出する場合、初日はほぼ寝られなくなる。車を長時間運転した後や、相部屋だったりするとその確率は100%
普段使わない神経が興奮するせいなのか、原因はわからない。頭や集中力を使う研修に参加する時は寝不足はストレスになるから焦るのだが、今回の合宿は逆に寝不足で頭がぼーっとして休んでいる方がからだの感覚を感じやすいだろうという予感がするので、いつなら苦しいはずの寝られない状態をじっくり味わうことができた。
朝一番のシェアでこんなことを話した。
ワークショップの流れではシェアタイムが何度かある。
今感じていること、気づいたことなど、参加者それぞれが話をする。「何も感じない」と言うだけの人もいる。
それもありで、それぞれがからだをゆるめていくことで何が起こっているか、からだから感じることを言葉にしていく。
思考優位な世界にいると感じる世界を言葉にすることをつい疎かにしてしまうものだ。
今の社会に適応していくために、からだで感じる世界を意識に上らせないようにしている人は多いのではないかと思う。感じていたらつらすぎるかから、それを感じないようからだを緊張させているのだ。
緊張が続くとからだもこころもそこにエネルギーを使ってしまうので本来のいのちの働きが阻害され、からだもこころも不調になってしまう。
からだをゆるめるワークをやっていくと自分のからだが自分のものである感覚がよみがえってくる。
足を片方ゆるめる動作をすると、ゆるめた方の足の存在感がゆるめてない足の2倍くらいに感じられ、地に足が着いた感覚になる。これが本来のグランディング感覚なんだとよく分かった。
今までグランディングはグランディングしたつもり、やったつもりになっていただけの愚ランディング(笑)だった。
流行りのマインドフルネスもやるならからだをゆるめてほぐした後にやった方が絶対効果的だと思う。
余計な力が抜けて自分のからだを感じられる力が増してくると不思議な安心感に包まれる。
自分が自分であることへの確信は頭で考えることではなくからだからの感覚なのだ、ということがわかってくる。
その状態から出す声はビリビリ腹に響いてきて、その変化には驚かされる。
間違いなくその人の存在の力が増して、声の周波数が変わったのが伝わってくる。
からだほぐしだけ、発声練習だけではわからない、からだと発声と同時アプローチすることで起こる相乗効果は感動ものだった。
瀬戸嶋さんのワークショップの名前は「からだとことばといのちのワークショップ」
「からだとことばといのち」という言葉に対して自分の中で新しい世界が拓かれていくような感覚はなんて快感なんだろう!
いよいよ『よだかの星』の朗読が始まった。
鳥らしくない、みにくい格好というだけで他の鳥たちから見下され嫌われ、鷹からは名前を変えないと殺すぞ、と迫られるよだか。
よだかがどんどん追い詰められて行く様子がまるで自分のことのようで、読み進むごとに胸がぐうっと詰まってきて自分の朗読の番が来た時にいよいよそれが崩壊してしまった。
どこから来るのかわからない涙が堰を切ったように流れる。
詰まり詰まり何とか読み終えた後も涙と鼻水が止まらない。
まるでおしっこ我慢しきれなくなっておもらししちゃった状態、呆然自失とはこのことだ。
よだかの絶望はワタシの絶望だった。
よだかの星はワタシの星だった。
これは絶望と希望の物語だったんだ!
この物語がワタシを今まで生かしてくれていたんだ!
言葉が降りてきた瞬間、涙があとからあとから流れ落ちた。
、、、つづく